きみは、わたしの星月夜
わたしの部屋にある窓からは、いつもお月さまがほんの少ししか見えません。
理由はとっても単純で、おうちの屋根の縁に、ちょうど隠れてしまっているのです。
綺麗な三日月の夜も、ぴかぴかの満月の夜も。私の部屋からはいつも、小さな月のかけらしか見えなくて。昔はそれが寂しくて、お母さんに駄々をこねたこともありました。
でも、その代わりに。いつも星がよく見えました。
ひとつひとつが綺麗に、眩しくきらめいていて。そう気付いた時、なんだかこの景色が愛おしく思えるようになりました。
これを書いている今も、わたしから見える夜空には、スパンコールみたいな星がチラチラと輝いています。
この夜空を見るたびに、私は瑞稀くんのことを思い出します。
この世にあるきらめきとときめきをぜんぶ抱えて、数年前わたしの前に現れたあなたは、まるでお星さまみたいな人だったから。
瑞稀くんの初主演ミュージカル「ルーザーヴィル」。
瑞稀くんがミュージカルの主演を務めると発表されたとき、ずっと探していたものにようやく出会えたみたいな、長い間見ていた夢が現実になったような、そんな不思議な感覚になったのをよく覚えています。
きっと、楽しいことばかりじゃなかったよね。
座長としてのプレッシャー、長期間の公演。
見えないところに隠した傷だってあったかもしれません。
でも、おっきなステージの真ん中で、マイケルとしてがむしゃらに生きる瑞稀くんは、この世の誰よりもかっこよくて、眩しかった。
悔しいくらいに、わたしの好きなひとでした。
きらきらとネオンが輝くステージの上で。この世にあるすべての希望をかき集めたような、そんな夢みたいな。
『だって君がいれば、勝ち組ルーザーヴィル!』
あんなに素敵なミュージカルの座長さんが瑞稀くんだったこと、わたし一生忘れないよ。絶対に忘れない。
とびきりの宝物をくれて、ありがとう。また人生のどこかで、あの青春に出会ますように。
瑞稀くんの初主演映画「おとななじみ」。
生きていればこんな夢みたいなことも起こるんだなと、そう思いました。
大好きなおとななじみの、大好きなハルくんを、大好きな瑞稀くんが演じるなんて。本当に夢みたいで、わたしは嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。
瑞稀くんが青春を犠牲にして、必死に努力を重ねて、ファンに見せてくれた夢。絶対に、何よりも大切にすると決めました。
一足先に、試写会に足を運んだ時。
瑞稀くんがハルくんとして、泣いたり笑ったり、怒ったりふざけたり、楓ちゃんを愛している姿を見て。
ただ勝手に瑞稀くんのことが大好きで、その存在に救われて、応援してきただけなのに。わたし自身は瑞稀くんに何もできないのに。
こんなに、一生に一度あるかないかの奇跡みたいな幸せを貰ってしまっていいのか、少しだけ戸惑いました。
でも、5/11の伝記で。
「俺とみんなのかけがえのない作品にしようね。」
そんな風に言ってくれた瑞稀くんが、愛おしくて愛おしくてたまらなくて。わたしはこの人を何回好きになるんだろうと、ちょっぴり怖くなりました。
瑞稀くん。わたしは、おとななじみが大好きです。
宝箱の一番奥底に大切にしまっていたいような、でも全世界に自慢したいような、そんな不思議な作品です。
間違いなく、他のどんなものにも代えられない、かけがえのない作品になったよ。ぜんぶぜんぶ、瑞稀くんのおかげだよ。
不器用だけど、そこらじゅうに愛があって。観る人たちを全員、しあわせでいっぱいにしてしまうような。
『ちゃんとした大人になんてなれなくていい、幸せになろう!』
こんな素敵な作品の主演が瑞稀くんだったこと、わたし一生忘れないよ。絶対に忘れない。
とびきりのお守りをくれて、ありがとう。これから先の人生、きっとたくさん、この物語を思い出すんだろうな。
初のアリーナツアー、BOOOOOST!!。
ステージという星空の真ん中で、ファンの声援に目を輝かせていた瑞稀くんは、きっと世界で一番その場所が似合う人だと、そう思いました。
Pika Pikaの演出で、5人の写真がモニターに映し出された時、すごく懐かしくて。
わたしは''懐かしい''と感じられるくらいの年月、きみたちに夢中でいられたんだなと思うと、きみたちが夢中でいさせてくれたんだなと思うと、嬉しくてたまらなくて。
これからもずっとずっと、きみたちといっしょに旅を続けられたらいいなと、そう思いました。
宮城の最終公演で、「皆さんなしでは僕らは生きていけません」なんて、瑞稀くんは言ってくれたけど。
それは、きっとわたしのほうです。
瑞稀くんが暗闇から救ってくれた夜も、霧を晴らしてくれた朝も、数えきれないくらいいっぱいあったよ。
例えるなら、ふと見た青空が綺麗だったり、たまたま買ったアイスが当たりだったり。瑞稀くんはそういう、あったかくてやさしい幸せを、毎日わたしにたくさんプレゼントしてくれます。
そこに居続けてくれて、わたしの希望でいてくれて、本当にありがとう。これからもどうか、星空の真ん中で笑っていてください。
瑞稀くん。
瑞稀くんはよく、「ファンの皆さんのおかげ」とか、「好きでいてくれてありがとう」みたいな、やさしさと愛に溢れた言葉を、さまざまな媒体で伝えてくれるけれど。
わたしにできることと言えば、グッズや雑誌を買って、YouTubeやテレビを見て、コンサートに行って赤色のペンライトのひとつになる、そんなちっぽけなことだけです。
いつもいつも、瑞稀くんが大切にあたためてプレゼントしてくれる宝物を、ただ貰ってばかりでごめんね。
でも、だからせめて、嬉しいことがあった時、悲しいことがあった時、誰よりも瑞稀くんの味方でいたいです。
お星さまみたいにきらきら輝く瑞稀くんが、「今日もアイドルでいてよかった」って思えるような、そんな夜空でいたいです。
瑞稀くんは、たとえその夜に月が出ていなくたって、雲に隠れて見えなくたって。
ちっぽけなわたしの空で、ずっと眩しく輝いてくれるお星さまで。
わたしの、星月夜みたいなひとだから。
2023年、10月31日。
今夜も小さな窓から、月の見えない星空を見上げて、きみを想います。
23年前の今日、生まれてきてくれてありがとう。
22歳の瑞稀くん、たくさんの宝物をありがとう。
23歳の瑞稀くんも、どうか健やかに、とびきり幸せに。
わたしの、たったひとりだけの星月夜でいてくれますように。
ほし‐づきよ【星月夜】
月は出ていないけれども、星が美しく輝いている夜を表す言葉。
p.s.
ここまでお付き合いくださった貴方にも、素敵な夜が訪れますように。
ルル ☽