あまったるい痛覚

駆けていくHiHi Jetsの輝きを閉じ込める、しがないオタクの備忘録です。

彼らがくれた夏のすべてへ

 

彼らのエンターテイメントに触発されて、ひさしぶりに長い文章を書いてみました。
 
気持ちそのままを書いたので非常に読みづらくなってしまっていますが、気持ちと愛はこれでもかというくらいに込めましたので、もしよろしければ読んでいただけると幸いです。
 
 
 
 
 
HiHi Jets summer Paradise2021」。
 
7月30日から8月18日(HiHiの日)まで
東京ドームシティホールで行われた
全28公演の''単独''コンサート。
 
 
HiHi Jetsとしては実に2年ぶりの有観客コンサートであり、HAFの誰もが、その開幕を心待ちにしていました。
 
 
かくいう私もそのひとり。
 
 
すごく個人的な話をすると、「HiHi Jets、サマパラやります!」と発表されたとき、私はアルバイト中でした。しかも、1ヶ月に1回あるかないかのとても忙しい日。クレームもたくさん入って、心も体もボロボロでした。
 
 
ため息をつきながら更衣室のロッカーを開けた時、だいすきなだいすきなお友達からたくさん連絡が来ていて。慌てて見ると、「HiHi Jets、サマパラ決まったよ!」の文字。
 
 
ほんとうにほんとうに、たぶん今まで起こったどんな出来事より嬉しくて、帰り道で泣きながら電話したことを覚えています。
 
 
 
それから日々を生きていく中で、辛いことはたくさんありました。忙しいアルバイト、山積みの課題、祝日なのに何故かある授業・・・。自分のキャパシティの限界を感じ、何度も何度も心が挫けそうになりました。
 
 
しかし、これは誇張でも何でもなく、この目でHiHi Jetsのエンターテイメントを見届けるため、そのためだけに私はこの2ヶ月間を生き延びました。それだけは自信を持って言えます。それくらい、私にとってHiHi Jetsのライブというものは特別なんです。日々溜まっていくマイナスが、すべてプラスになってしまうくらいに。
 
 
 
会場まで移動する中、彼らの曲をずっと聴いていました。・・・実感、全然湧きません。「ドラゴンフライ」という激エモスペシャルセンチメンタル曲を聴いても、「やっぱ良い曲だな〜」みたいな薄っぺらい感想しか出てこない。メイクをして髪の毛をセットしても、会場前に着いても、何をしても実感が湧きませんでした。心がずっと宙に浮いているような、不思議な感覚でした。
 
 
何も実感のないまま、重たい会場の扉を開けました。
 
 
その瞬間、心臓が止まるかと思いました。目の前にステージがあって、うっすらと場ミリが見えて、ここに、この場所に、HiHi Jetsが立つんだと。周りを見て、かわいいお洋服やかっこいいお洋服を着たファンがたくさんいて、「ここにはHiHi Jetsを好きな人しかいないんだ」と。そう考えた瞬間、一気に実感が湧いてきました。
 
 
 
そしてあっという間に開演時間になり、爆音と共にライブが始まって。
 
 
見上げると、高く上がったゴンドラの上に、この世のものなのか疑ってしまうくらいにきらびやかな衣装を身に纏った5人が立っていました。画面越しでも紙越しでもない、ちゃんと影と立体を持った5人です。私はもうそれだけで、この2ヶ月間のすべてが報われたような気持ちになりました。
 
 
声は出せないからと、構成や歌詞を変えてくれただぁ〜くねすどらごん。熱や音から、彼らが心の底からライブを楽しもう、楽しませようと息巻いていることが伝わってきました。あぁそうだ、そうだった。これがHiHi Jetsの''熱''だ。この温度に触れたくて、私は2年間我慢してたんだ。やっと、やっとここに来れたんだ。そう思いました。
 
 
 
「2年間」。文字にするとたった3文字ですが、私にとっては果てしなく長かったです。
 
 
「応援しているアイドルに会いたい」という、ただ純粋で真っ白なはずのきもちを持つことすら『悪』とされてしまうような世の中になって、今までの当たり前が徐々にポロポロと崩れていくような日々。
 
 
そんな中で、HiHi Jetsのエンターテイメントを直接感じられないことが、どんなに辛かったことか。希望であるHiHi Jetsに会えないことが、どれだけ悔しかったことか。私は、なんだか時間そのものが空白になってしまったような、そんな気分になっていました。
 
 
しかし彼らは、2年ぶりに会った彼らは、何も変わってなくて、何もかも格好良くなっていました。彼らはちゃんと前に進んでいて、彼らなりのエンターテイメントを大切に抱え続けてくれていました。私はそれが、本当に本当に嬉しかったんです。彼らがいれば、これから先の未来もどうにか生きていけるかもしれないと、本気でそう思いました。
 
 
 
ライブ中、彼らをこの世で一番輝かしい存在にしてくれる照明や、彼らのエンタメをより華やかなものにしてくれるセットたちを眺めました。HiHi Jetsを支えてくれる人たちは、つまり私を支えてくれる人たちであるということです。私はそのことを大切に噛み締めて、ただひたすらにペンライトを振りました。その人たちにも届いてしまうくらい、ありったけの熱を込めながら。
 
 
 
猪狩くんが、最後の挨拶でこう言いました。
 
「皆さんの人生は、皆さん自身が主役です。だから、皆さん自身で彩ってほしい。皆さん自身で幸せになってほしい。そのために俺たちを使ってください。」
 
私はこの言葉が、「アイドル」の口から出たこの言葉が、エンターテイメントの全てなんじゃないかなと思いました。
 
 
私たちファンはあくまでも「消費者」です。アイドルは「商品」で、私たちはそれを購入している消費者。文章で書くとなんだか冷たく感じてしまいますが、それは紛れもない事実です。ただひとつ違うことは、「商品が生きている」ということです。血と肉を持っていて、日々思考し成長していく''人間''が、「アイドル」という商品なのです。
 
 
「アイドル」という存在に夢を見て、憧れて、勇気や元気をもらって、それぞれの地獄を生きやすくする。それが、アイドルとファンの関係性のすべてだと私は思っています。
 
 
そのことを全て理解した上で、猪狩くんは「俺たちを使ってください」と言いました。これ、本当にとんでもないことだと思います。自分は消費されてもいいから、皆さんは幸せになってくれと。こんなに鋭い覚悟を持ったアイドルは、こんなに自己犠牲の精神を持ったアイドルは、きっとなかなかいません。彼は間違いなく逸材だと思いました。
 
 
 
「俺は皆さんの人生を一生かけて彩り続けますよ。だからみなさん、俺を、俺たちを見ていてください。これから10年20年したらきっと分かります。俺たち以上に皆さんを楽しませられる人なんて、絶対にいないですから。」
 
猪狩くんって、きっと魂まるごとアイドルに捧げているひとなんですよね。「ジャニーズらしくない」とか「異端児」とか言われることも多いけれど、いちばん「アイドル」としての自分の在り方を考えているのは、おそらく彼だと思います。そんな彼が放ったこの言葉、痺れないわけがありません。「未来永劫楽しませてやる!」なんて、まるでアイドルからファンに贈られるプロポーズみたいだなと、そう思いました。
 
 
 
瑞稀くんが、少し俯きながら、言いました。
 
「この世界は、ある意味残酷です。隣で頑張っていた仲間が次の日にいなくなったり、ずっと一緒に頑張っていこうと誓った仲間が突然いなくなったりとか。だからこそ僕はもう、やめました。誰かに頼ったりすることは、自分が傷付くからもうやめようと。」
 
でも、前を向いて、ちらりと4人の方を見て、言いました。
 
「だけど、やっと。やっっと出会えました。僕が人生を賭けていいと思えた4人に。」
 
瑞稀くんは、なんでも出来ます。歌もダンスもアクロバットも演技も、本当になんでも出来る。自担という贔屓目なしに見ても、本当に完璧なアイドルだと思います。でも、やっぱり一人じゃ駄目なんです。瑞稀くんが「ここだ」と思える居場所がないと。瑞稀くんが人生を賭けてもいいと思える、4人がいないと。簡単な世界じゃないからこそ、私は彼に孤独になって欲しくないんです。
 
 
私は、瑞稀くんが4人と出会ってくれて、今日も「HiHi Jets」のひとかけらで居てくれることが、本当に愛おしいです。私は、''HiHi Jetsの''井上瑞稀くんが大好きだから。だからこそ瑞稀くんが、「この5人で頑張っていく」と音に出して伝えてくれたことが、とてもとても嬉しかったんです。瑞稀くん、辞めないでいてくれて、本当にありがとうね。
 
 
 
優斗くんが挨拶でペンライトの色を変えるまで待ってくれていたこと。涼くんが何度も「上の方まで見えてるぞ〜!」と叫んで誰ひとりも置いて行かなかったこと。作間くんが「HiHi Jetsにいる自分が好きだ」と言ってくれたこと。
 
 
思い出は書き出せばキリがないけれど、HiHi Jetsがくれた夏のすべてが、私の宝物です。
 
 
人間は上書きをして、忘れていってしまう生き物です。新鮮な思い出をそのまま縫いつけておくことはできません。しかし、HiHi Jetsが存在してくれる限り、このあたたかい気持ちはずっと胸の中にいてくれると思います。
 
 
HiHi Jetsは希望です。わたしだけじゃなくて、おそらくたくさんの人の。だからこれからも、彼らにたくさんの奇跡や優しさが降ってほしいなと、そう思います。
 
 
少年たちに代々木に、2年前では信じられないくらい未来の約束がたくさんありますね。嬉しいなあ、夢みたいです。笑顔のまま5人にまた会えるように、わたしはわたしにできることを全力でやっていこうと思います。
 
 
 
最後に。
 
HiHi Jetsがステージにいてくれる夏は、やっぱりとびきり特別なものでした。私にとびきりの夏をくれてありがとう。奪われた季節を忘れさせてくれてありがとう。たくさんたくさん、幸せにしてくれてありがとう。きっとそう遠くない未来、伝説のひとかけらになれるその日まで、わたしはきみたちの虜でいます。また会おうね。
 
 
ルル