あまったるい痛覚

駆けていくHiHi Jetsの輝きを閉じ込める、しがないオタクの備忘録です。

きみに会える非日常

 

''井上瑞稀  ミュージカル ‪初単独座長''。

 

大きく書かれたその見出しに、私は息を呑みました。  

その文字がタイムラインに流れてきたのは、2022年12月4日の、深夜2時のことでした。

 

夢かと思いました。何度も何度も。

でもその知らせは、紛れもない現実でした。

 

 

''主演ミュージカル''。

正直、「あぁ、やっとだ」って、そう思いました。だって瑞稀くんは、出会った時からずーーーっと、「絶対にミュージカルで きらきらと輝く人だ」って、そう確信していたから。

瑞稀くんの歌声は、指の先まで神経の行き届いたパフォーマンスは、絶対にミュージカルで輝くんだって。

 

だから私は、死ぬほど嬉しかったんです。  

 

発表があってから、私は毎日どきどきわくわくしていました。

授業中も、アルバイト中も、ふと、瑞稀くんが演じることになる「マイケル」に思いを馳せてしまう日々。  

どんな見た目なんだろう。

どんな性格で、どんな考えを持ったひとなんだろう。

瑞稀くんは、マイケルをどんな風に演じるんだろう。  

本当に楽しみで楽しみで仕方なくて、改めて、こんなにも好きになれるひとに出会えた幸せを噛み締めました。  

 

ポスタービジュアルが発表されても、一週間後に迫っても、何だか実感は湧かないままで。  

気付けば、あっという間に初日を迎えていました。  

 

どきどきしながら演舞場に入って、扉を抜けた先。  

ぴかぴか、きらきら、ネオンのように光り輝く開演前のステージ。確かにそこにある現実なのに、どこか現実じゃないみたいな、不思議な感覚。浮遊感。  

ここに、瑞稀くんが立つんだ。ミュージカルの座長として、マイケルとして、立つんだ。

そう思った瞬間、涙が出そうになりました。  

 

 

どきどきしながら席に着いて待っていると、ふっと照明が落ちて。何度も聞いた大好きな大好きな声が響いて、パッと舞台が明るくなって。  

 

瑞稀くんが、いや、マイケルが、そこにいました。  

少し不安そうで、でも自信に満ちた表情は、今まで見たどんな瑞稀くんとも違いました。

 「かっこいい」って。そう一番に思いました。  

 

瑞稀くんは、ころころと表情を変えて、くるくると動き回って、楽しそうに、愛おしそうに、マイケルとしてそこに生きていました。

自分の「好き」にまっすぐで、仲間想いで、強いひと。ずっとずっと見たかった、会いたかった、瑞稀くんが演じるマイケルは、とっても魅力的で。  

私は一瞬で、マイケルのことが大好きになりました。  

 

それから日を追うごとに、舞台を観劇するごとに、マイケルの魅力はどんどん増していきました。

魔法みたいにころころと変わる表情。自分が傷つけられても仲間を庇おうとする優しいところ。ホリーを見つめる時の愛おしそうな眼差し。夢が叶った時の、世界でいちばん幸せそうな笑顔。

マイケルの大好きなところは日に日に増えていくばかりで、私は胸がいっぱいでした。

 

そして何と言っても、ルーザーヴィルのカンパニーは、皆素敵な人たちばかりで。

強くてまっすぐなホリー。不器用だけど優しいルーカス。いつも向日葵みたいに明るいマーヴィンとフランシス。意地悪だけどなんだか憎めないエディとウェインとヒューイ。とびきりキュートなレイア、エレイン、サマンサ。愛おしくてたまらなくて、一生このミュージカルを観ていたいと、ルーザーヴィルの中にいたいと、そう願う日々でした。

 

 

でも時間は有限です。

気付けば大千穐楽。私は、御園座に来ていました。

 

正直、寂しすぎて、前日の夜はなかなか眠れませんでした。だって今日で、マイケルと、ルーザーヴィルと、この青春と、お別れしなければいけないのだから。

 

幸い、千穐楽はアドリブがとっても多くて、たくさんたくさん笑えました。寂しさを必死に堪えて、エンディングのルーザーヴィルに差し掛かった時。

 

ふと、「あ、終わっちゃうんだ」って。

そう実感して、涙が止まらなくなりました。

それと同時に。

私はこんなにも、このミュージカルに、ルーザーヴィルの音楽に、世界観に、救われていたことを実感しました。

 

涙でうまく前が見えない中、カーテンコールに移った時。端に瑞稀くんがはけてしまって、何かトラブルかな?とそわそわしていたら。

 

まるで、夜空に輝く一番星みたいに。

速いスピードで、きらきらと、宙を切る一筋の光。

 

マイケルが・・・いや、このミュージカルの座長であるHiHi Jets井上瑞稀くんが、自らの武器を足に咲かせて、ステージに降りてきたのです。

 

その瞬間、心臓がまるごと掴まれたみたいに、どうしようもなく瑞稀くんが好きだと、そう実感しました。

 

48公演の集大成として、瑞稀くんは、マイケルではなく''自分"で、カーテンコールを締めると決めた。

 

どこまでずるいひとなんだろう。どこまで好きにさせれば気が済むのだろう。ファンのひとを釘付けにして、まるごと愛してくれる、神様みたいなひと。

 

そうして、ルーザーヴィルの世界は、大歓声に包まれながら、きらきらと幕を閉じました。みんな笑って、泣いて、マイケルたちとのお別れを、心の底から惜しんでいました。

 

 

瑞稀くんは、よく自分を''普通のひと''だと言います。 自分にはこれと言って取り柄がないと。

でも私は、絶対にそんなことはないと思います。

だって、あんなに大勢の人が観劇する舞台で、歌とダンスと演技とで、こんなにも人の心を揺さぶれるひとが、普通なはずがありません。

瑞稀くんは、私にとって、いや、おそらくたくさんのひとにとって、他の誰でもない、特別なひとです。

 

だから、どうか自信を持ってください。

瑞稀くんの演じるマイケル、とびきりかっこよかったよ。愛おしかったよ。不器用でやさしくて、人に愛される男の子だなって、大好きになったよ。

 

こんなに素敵な男の子を、あんなにも素敵に演じることのできた瑞稀くんが、私の誇りです。  

 

 

改めて。

瑞稀くん、全48公演お疲れ様でした。

きっと楽しいことばかりじゃなかったと思います。でも私は、瑞稀くんのおかげで、''楽しい''しかなかったよ。こんなに胸が躍るミュージカルは、生まれて初めてだったよ。

瑞稀くんじゃない瑞稀くん、''マイケル''、きみに会える非日常。そんな2ヶ月間でした。夢みたいで、でも夢じゃなくて、確かにそこにあったマイケルたちとの日々。

 

人生の宝物にするね。辛くなった時のお守りにするね。絶対に絶対に、忘れません。

 

ルーザーヴィルの素敵なカンパニーの皆さん。とびきり楽しいミュージカルを、本当にありがとうございました。

 

''だって君がいれば、勝ち組ルーザーヴィル!''

 

この舞台に出逢えた私は、間違いなく勝ち組です🚀愛してる、マイケルドーク!ルーザーヴィル!またぜっっったいに、どこかで逢えますように!

 

ルル ☽